ノコギリクワガタ標本製作-その5軟化〜展足〜完成へ
この記事では、先日からご紹介していたノコギリクワガタの標本製作に関し、軟化から展足、完成までのことについて記述させていただきます。
今回標本製作は初めてでして(子どもの頃に少しだけやったことがありますが…)、私なりに色々調べてやってみました。
日頃標本製作をなさっている方はお見苦しいかと思いますが、ご了承をいただければ幸いです。
はじめに
先の記事において、100均商品を中心とした道具の準備、標本箱製作等についてご紹介させていただいておりました。
これまでの記事は以下のとおりになります。
jbwideandshallow.hatenablog.com
jbwideandshallow.hatenablog.com
jbwideandshallow.hatenablog.com
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軟化について
乾燥して固まってしまっている標本個体を、展足できるアゴや足が動く状態にするための作業になります。
仮に個体の死亡に間もなく気付くことができ、すぐに展足作業ができるのであれば不要なのだと思いますが、死亡には気付くことができても作業時間がすぐに確保できなかったりして現実的には難しいかと思います。
又、標本製作のために個体を〆る方法をとられる場合は自分のタイミングですから必要ないかと思います。
軟化方法については、「お湯に浸ける」というものになります。
✳︎追記
酢酸エチル等で〆ると非常に硬直するという情報も目にしました。
失礼しました、もっと勉強させていただきます。
展足について
昆虫針等を使用して、個体の足等を標本として完成させる形に固定する作業になります。
展足の仕方は、好みというか人それぞれになろうかと思います。
標本を製作しておられる方の展足の仕方を参考にしたり、図鑑の写真を参考にすれば良いかと思います。
人それぞれかとは思いますが、基本的にざっとした手順は、
・ 上翅に針を刺す
・ 腹部を固定して個体が動かないようにする
・ アゴを開いて固定する
・ 足、触覚を固定する
という感じになるかと思います。
軟化作業
私はタッパーにお湯を入れまして、標本個体を投入しました。
温度によるかと思いますが、軟化にかかる時間は1〜数時間になると思います。
私の場合は計測していませんが開始時50℃くらいのお湯に約1時間浸けました。
後述しますが、少し時間が足りなかったかなと思います。
なお、熱湯に浸ければ短時間でいけそうですが、熱湯だと目が白くなってしまったりするそうです。
展足作業
軟化作業をしますと、個体の足を動かせるようになります。
ゆるゆるになるというわけでなく、少し力を入れて動かすと、人間の関節がパキッとなる時のような音がして、動かせるようになります。
ある程度足を広げましたら、展足作業をする台に固定します。
刺すのは上翅中心からやや右側が一般的で、真ん中だと羽が開いてしまうようです。
又、お尻を2箇所固定して、回転しないようにします。
アゴを広げて固定します。
なお、私は若干お湯に浸ける時間が短かったようで、アゴが開ききりませんでした。
本来また軟化からやり直せば良いのですが、この程度の開き具合もある意味シャープかなと自分を納得させ、作業を継続しました。
足を固定していきます。
針をクロスさせて刺して足を固定する感じです。
足を台につけるように下げる場合はクロスさせた針の下に、足を浮かせるようにする場合はクロスさせた針の上に足を持ってきて固定すれば良いかと思います。
概ね展足を終えた状態です。
後で針を数えて見ましたら34本使用していました。
私のような標本初体験の人間でもこれだけの針を使うようで、もっと厳密な作業を求めればさらに針を使用することと思います。
ちなみに私の拙い展足作業でも、小一時間もかかっていなかったと記憶しています。
乾燥について
展足を終えたら、風通しの良い場所で乾燥させます。
乾燥期間は個体サイズによりますが、国産クワガタサイズでしたら数週間〜1ヶ月程度で大丈夫かと思います。
風通しの良い場所で、ということですが、私の場合虫喰い等が恐く、密閉容器に入れて乾燥させました。
容器には防虫剤と、乾燥促進のために乾燥剤(シリカゲル)を入れました。
乾燥は1ヶ月ちょっとくらいしました。
たまにシリカゲルを交換しています。
余談ですが、この画像に写っている防虫剤がパラジクロロベンゼン製剤のものでして、かなり臭いがきついです。
これが先の記事でご紹介させていただきました、妻から強く批判された原因でして、後に無臭タイプのものに買い直しています。
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標本完成へ
製作した標本箱に収めて完成します。
個体に刺してある針は蓋に干渉しましたので、ニッパーでカットしています。
ということで、この程度の標本製作で複数の記事に渡ってしまい申し訳なかったのですが、初めてでも無事完成させることができました。
改めまして、昆虫が苦手になってしまっていた私が標本製作までするとは自分でも信じられないのですが、これで自分の飼育個体を保存し、観賞することができます。
もちろん飼育個体が☆になってしまったら弔ってあげれば良いと思うのですが、標本にして観賞できる状態で保存するのも1つかなと感じます。
今後の飼育個体を全て標本にしていくということはできないと思うのですが、思い出として残したい個体はできるだけ標本にできればと思います。
jbwideandshallow.hatenablog.com
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※内容はあくまでJBの主観になりますのでご了承いただければ幸いです。