【山の日】『常念岳』登山に日帰りでアタック(標高2,857m・長野県松本市)
この記事では、長野県松本市と安曇野市に跨がります『常念岳(標高2,857m)』にて、日帰り登山を強行してきたことについて記述させて頂きます。
はじめに
私は煩悩の数と同じ108つ、どれも中途半端な浅い趣味を有しているのですが、その中でもとりわけ浅い趣味が『登山』になります。
いや、私ごとき趣味と呼ばれるレベルではありません。
とは言え、やはり山は好きで、なんとか、行ける時にはなんとしても折り合いをつけて行こうと、そう誓ってはいるのです。
私にとっての『登山』を一言だけ
私は社会人になってから、さらには家庭を持ってから登山を始めた口です。
冬山は経験も装備もなくやりません。
専ら夏から秋にかけてをシーズンとし、行けたとしてもほんの数回、都合がつかなければたったの1回しか行けない、そんなレベルです。
熱心に山をやっている方の話を聞いたり、書籍を読んだりすると、自分が恥ずかしくなります。
それでもなんとか都合をつけて山へ行く理由は、こんな俄かの私でも実はいくつもあるのです。
“将来は子どもと来たい”、“世の喧騒から離れたい”、“新しく購入したギアを使ってみたい”、“トレーニング(健康)のため”…等々色々ありそれぞれが大切な理由となりますが、私の場合何が1番かと問われれば『最高の景色を楽しみたい』ということになります。
『お気に入りのギアを使って、最高の景色を見ながら歩き、非日常性を感じる』
一言だけで申し上げますと私の目的はこうなろうかと思います。
しかし私の場合1つ情けない前提条件がありまして、以前も記述させて頂いたのですが、仕事や家庭のことを考えますと“できるだけ日帰り登山を攻めたい”と考えているのです。
もちろん山小屋泊もしたことはありますが、情けないことに極力そうありたいと思っているところ、今回の常念岳登山も『夜中のアプローチ〜日帰りアタックで帰宅』という流れになるのです。
常念岳について
常念岳(じょうねんだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の常念山脈にある標高2,857 mの山である。山体すべてが長野県に属し、松本市と安曇野市にまたがる。常念山脈の主峰。日本百名山のひとつ。
(引用元「wikipedia」)
詳細は私ごときが述べることではありませんので割愛させて頂きます。
北アルプスでもかなりメジャーな山になろうかと思います。
アルプスですのでいくつものルートがあり、稜線歩きもできますが、「三股登山口」から、
・ 一ノ沢登山口から常念小屋に1泊してからのアタック
・三股登山口からお隣の蝶ヶ岳に登頂し蝶ヶ岳ヒュッテに1泊してからのアタック
が一般的なのではないかと思います。
というか、多くの方が後者のルートなのではないかと思います。
今回は、早朝までに三股登山口に車でアプローチしまして、そこから直接常念岳に登頂して同じルートを下山します。
結論から申しますと、十分可能なルートです。
但し、意外と急登な上ゆっくりと休憩するような小屋やトイレなどは無く、生まれて初めての登山となると少々厳しいかもしれません。
そして今回のパーティには“生まれて初めて”の方がおられ、かなりがんばらせてしまうものとなってしまい反省しているところです。
常念岳日帰り登山
アプローチ
先述させて頂きましたとおり、早朝までに三股登山口の駐車場まで車でアプローチします。
ありがたいことに、確か80台という情報だったかと思うのですが、登山口手前には駐車場と、そしてトイレがあります。
しかしさすがはシーズン中の人気の山、午前6時頃には到着したもののすでに駐車場は一杯でした。
こうなると数百mから1km位でしょうか、引き返した所にある砂利の駐車場に駐車することになりました。
車道を歩いて登山口へ向かいます。
行きは「ま、準備運動だと思えばいいか」みたいな軽い気持ちなのですが、帰りはこれが意外と辛いものです。
前半戦〜ずっと森の中を歩く
駐車場からさらに15分程度歩きまして、いよいよ登山道に入ります。
こちらでも登山届を提出することはできますし、ラストチャンスのトイレもあります。
今回のルートですと常念小屋にも立ち寄りませんので、登り始めたら下山するまでトイレが無いことになります。
前半戦、もちろんペースによりますが3時間程度は森の中を歩きます。
登山道につきましては、広くはありませんが歩きにくいところはほとんど感じませんでした。
好みによるところもあろうかと思うのですが、木の根が張り出していてグリップはしやすく感じます。
結構深い森で、日当たりが悪くぬかるんでいる箇所も所々ありましたが、密生した苔も楽しめました。
森の中を歩く時間は思いの外長く感じます。
これは好みの世界になってくると思うのですが、景色に重きを置く私とすれば、それほど歓迎できることではありません(もちろん入山した時は「いいな〜」「山に来たな〜」「気持ち良いな〜」と感じるのですが)。
やはり森林限界を超えてから、見晴らしが良くなってからが私の楽しみになります。
どこからが森林限界になるかということにつきましては地域によって違いますが、概ね2,000mオーバーにはなろうかというところで、まずそこまではがんばらないと見晴らしの良い景色は期待できないということになります。
中盤戦〜森を抜けると突如ガレ場・岩場に
登山には食事用の食料を持参するのはもちろんですが、行動食も持参します。
私もいくつかのパワーバーの他、必ず持参するのが『トレイルミックス』ことミックスナッツです。
今回のものはコストコで販売している“アドベンチャーミックス”なる商品です。
数時間歩いていますとさすがに空腹感を覚えますので、水分補給に併せて行動食を口にします。
ナッツはボトルに入れておきますと手で摘む必要がありませんので、いつもこうしています。
さて、肝心の景色ですが、ここまでは非常に厳しいものとなります。
ガスが掛かり青空は見えません。
本当に不思議なもので、開けた場所まで登った時、景色がどうかということで疲労感が全く違います。
せっかく開けた時、こう真っ白だとそれまでの疲労感が押し寄せてきます。
又、もう1つ疲労の原因となりましたのが、休憩できるような小屋やトイレがないことです。
途中避難小屋があるのですが、本当に緊急で使うような小屋でした。
石が積まれ、屋根があるだけで、小屋の中も外なのです。
私は元々、1人で歩いているとあまり休憩を取らないのですが、休憩をしっかり目に取られる方は、増してパーティですとあまり良い場所が無かったように思います。
後半戦〜稜線歩きで天気が良ければ最高
ガレ場から岩場となり、大きな岩を登り下りしたり、岩の上を歩いたりということが続くようになります。
これが続くと体力的にはやはり辛いものになりますが、手足を使った登山は気分が高揚して楽しくなってきます。
山の天気は変わりやすいです。
大抵はそのことを突如降ってきた雨に対して「今日降らないんじゃなかったの!?」という形で感じるわけですが、それが時には良い方に働く時もあります。
頂上を前にして、次第に見晴らしが良くなってきました。
ここまでくればもう最高です。
この辺りが、昼食時に眺めていた景色です。
初登山の方が結構苦戦されていましたので、登頂前の昼食となりました。
ちなみに私は料理には頓着がありませんので、専らバーナーでお湯を沸かして棒ラーメンを食べるだけです。
こちらのバーナーは折り畳んで小さくすることはできませんが、火力的にも物理的にも安定しているところが好きです。
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頂上へ
稜線に出ましてからピークを探しますと、手前の『前常念』の陰になって見えないんですね。
ぼんやりとこれを頂上だと思いながら歩くと、向こう側にはっきりと頂上が見えてくるとガクッと疲れが来ることになります。
それでもここまでくればあっという間です。
今回は本当にラッキーなことに一度晴れてからはずっと晴天が保ってくれました。
周りは見渡す限りアルプスの山々で、時折雲の向こうに槍ヶ岳が見えます。
又、これまでに登ったことのある山が見えますと、なんだか嬉しい気分になります。
今回、この記事を書きまして、思った以上に頂上での写真が少ないことに気付きました。
スケジュールが遅れて滞在時間が短かったことと、やはり焦りがあったものと思います。
相変わらず恵まれた天候の中、同じルートで下山です。
今回出会った昆虫たち
今回のような高山ですと昆虫、特に大型甲虫などは期待できるものではありません。
それでもほんの少しだけ写真を掲載させて頂きます。
まず登頂しますと、立て札に先客がおりました。
カメノコテントウです。
大きい!と言って手に取りますと、赤くて臭い汁を出されてしまいました。
あとはハムシの仲間と思われる小型の昆虫はいくつも見ることができました。
美しい緑色の蛹です。
(すみません、ハムシも蛹もなんの種かお調べしていません)
あとは子猿が何頭か連なって木の枝を飛び移っていきました。
突然現れて行ってしまったのでまともに写真を撮ることができませんでした。
お分かり頂けただろうか…
拡大しますと、おそらく赤丸で囲った部分が子猿です。
小さくて可愛いらしかったのですが、突然ガサガサと音がして何頭も飛び出してくると若干恐怖も感じました。
最後にカエルです。
最後に
今回は幸運なことに天候に恵まれ、素晴らしい登山となりました。
俄か登山家の私にとっては、シーズン中の数少ない登山でこれだけ条件に恵まれれば、かなりラッキーだったと言って過言ではないかと思います(もちろん天気予報で良さそうな日は選んでいるんですが、なかなかどうして行ってみないとわかりませんので)。
さて、近い内に私はあとどれだけ山に行けるのか、登山の前に“色々折り合いをつける”という登るべき山があるのです。
ところで、愛用のアプリ
ところで、登山の際に愛用しているアプリですが、多くの方が利用しておられる『YAMAP』です。
下界にいる時に予めWi-Fi環境で地図をダウンロードしておくことができますし、電波が無いところでもGPSなら利用できます。
万が一の時の安全性を考えれば必須です。
又、後から軌跡や経過時間を辿って分析することもできますし、単純に山行の記録として思い出にもなります。
私はGPSロガーのような高価な物は所有していないので使用したことはないのですが、一般的な登山者ならこういったアプリで十分そうです。
但し、どちらにせよお持ちになられる方は多いと思いますが、モバイルバッテリーは必須です。
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