JB の ワイドアンドシャロー

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【ネタバレなし】ありがとうダニエル・クレイグ=ジェームズ・ボンド【007/NoTimeToDieを鑑賞】

 「007/NoTimeToDie(ノー・タイム・トゥ・ダイ)」を劇場鑑賞してまいりました。

 仕事、家庭、そしてコロナ禍の影響で、映画を公開初日に鑑賞したのは久しぶりです。

 

 本当は公開直後にこの記事をUPしたいと思っていたのですが、私は30歳代にして20数年来の007ファンです。

 正直なところ、鑑賞直後では未だ今回の「NoTimeToDie」を消化しきれていないところがあり、なんだか思うように筆が進みませんでした。

 

 いずれにしましても、(この記事作成時点では)まだ公開初日ですから、映画の内容について触れるつもりはございません。

 今回記事では、【ネタバレなし】で、NoTimeToDieのレビューというよりは、どちらかというとダニエル・クレイグについて記述させて頂きたいと思います。

 

 ダニエル・クレイグがどのような俳優であるかということは私如きが語るまでもありませんので、他の映画関連サイトやブログにお任せすることとさせていただきまして、私の方では、ただただダニエル・クレイグへの感謝と、私から見たダニエル・クレイグとはどのような存在であったかということに終始させていただきたいと思います。

 

 劇場鑑賞を終え、熱い内の文章ですので、ちょっとここから、私自身もどのような内容になるかわかりません。

 いつも以上に理解し難い内容になるおそれがありますが、ご了承頂ければ幸いです。

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多くのボンドファンを納得させた「007/カジノ・ロワイヤル

 私とダニエル・クレイグの出会いは、やはり「007/カジノ・ロワイヤル」でした(確か「ミュンヘン(2005年)」も鑑賞していたと思うのですが、ダニエル・クレイグがこれ程までの男とは未だ認識していませんでした。あとはトゥームレイダーも観ていたはずです)。

 私自身、初めて「カジノ・ロワイヤル」を劇場鑑賞した時、映画としては大満足したものの、「ボンド映画」としては不満が残ったのを覚えています。

 

 スタートがガンバレル・シークエンスでなかったり、謂わばボンド映画としての「お作法」を守っていないと感じられる部分がいくつか見受けられた気がしたのです。

 

 しかし、「カジノ・ロワイヤル」にはその不満を補って余りある魅力がありました。

 まずは秀逸な脚本です。

 007フリークとして誤解を恐れずに申し上げますと、007全作品の中で最も良い脚本でした。

 いえ、いささか極端な言い方をさせていただきますと、007シリーズで脚本(あるいはストーリー)が良いとか悪いとか意識したのは初めてでした。(女王陛下の007」のストーリーも嫌いではありませんが)。

 

 これは「007/カジノ・ロワイヤル」が、ジェームズ・ボンドリボーンの物語だったということもありますが、ボンドがどのようにボンドになったか、ヴェスパー・リンドとの関係など、ボンドの人間性がしっかりと描かれている初めての作品と言って良いかと思います(ただし、007シリーズの場合、人間性を描くことばかりが正解でないのが難しいところです)。

 

 そして、もう1つは、何より「クレイグ=ボンド」の魅力です。

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007映画を現代のアクションシリーズに昇華させた「クレイグ=ボンド」

 よく評されるのは、「クレイグに決まった当初は不安視されたが、カジノ・ロワイヤル公開後は『ショーン・コネリー以来最高のボンド』と言われるようになった」というものです。

 私個人としては、別に「コネリー=ボンド」だけが至高(あるいは基準)という思想は持ち合わせていませんので、「コネリー以来最高」という表現を用いることはありません。

 しかしながら、正直なところ、私自身も「不安視」していたファンの1人でした。

 当時私の中では、ボンドと言えば5代目「ピアース・ブロスナン」でしたので、クレイグでは、なんというか、いささかブロスナンのようなダンディズムが欠ける気がしました。

 また、これは世界中のファン共通かもしれませんが、新しいボンドがクレイグであることがアナウンスされた時、クレイグの髪が金髪であることに加え、やや長かったので、これも不安視の大きな理由になったような気もします。

 

 しかし、クレイグ演じる屈強なボンド、人情味のあるボンドを見て、多くの世界中のファンと同様に不安は消し飛びました。

 「クレイグ=ボンド」は、現代のボンド像に非常にマッチしていました。

 かつてのボンドは冷戦時代のスパイであったり、現代映画にそのまま当てはめては(娯楽映画なので必ずしも現実的である必要はないが)不自然な設定と言わざるを得ませんでしたが、ストーリー上ボンドをリボーンさせるとともに、特殊部隊出身であるなど、現代にモダナイズされていました。

 さらに、その設定がクレイグの雰囲気にも合っていました。

 

 また、「007/ゴールデンアイ」ではそのアクションが評価された5代目ピアース・ブロスナンでしたが、「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」以降におけるブロスナン自身がこなすスタントは、正直なところ鈍重さを感じなくもありませんでした(また、個人的には拳銃の構え方がいわゆる「カップ&ソーサー」であることもどこか素人くさくて好きではありませんでした)。

 さらには、「007/ダイ・アナザー・デイ」では、ヴィランが整形手術でアジア人から白人に変わったり、ボンドカーが光学迷彩さながらに姿を消したりと、何と申しますか、浮世離れしてしまった感がありました。

※お断りしておきますが、私はブロスナン=ボンドのお陰で007ファンになったのであり、彼の4作が大好きです

 とかく、いささか大味になってしまった007シリーズを現代的なアクションシリーズに昇華させたのが、クレイグ=ボンドの何よりの功績と言えます。

 

僕の中で永遠のヒーローになった「クレイグ=ボンド」

 私が「ジェームズ・ボンド」に出会ったのは中学生の頃でしたが、「クレイグ=ボンド」に出会ったのは20代前半のことでした。

 私の中で、単に憧れのヒーローであったジェームズ・ボンドは、「クレイグ=ボンド」の存在によってはっきりと「人生のバイブル」になりました。

 

 子供が「大きくなったら仮面ライダーになりたい」と言うように、いい大人の私が「ジェームズ・ボンドのようでありたい」と思いながら生きているのです。

 

 どのような大人になりたいのか。

 20歳になって成人式を終えながら、多かれ少なかれ、誰しもがぶつかる壁がある中で、私にとって「クレイグ=ボンド」という存在に出会えたのは幸運でした。

 

 別に普段から「自分はジェームズ・ボンドだ」と名乗ったり(ブログではJBを名乗っていますが…)、コスプレみたいに格好を真似て生活したり、そういう意味ではありません。

 心の中に、私の人生のバックボーンとして、「ジェームズ・ボンドのような男でありたい」という意識があることが私の秘めたるプライドです。

 そしてそれを具現化してくれたのが「クレイグ=ボンド」なのです。

007/ダニエル・クレイグ DVDコレクション(3枚組)

 今回の「007/NoTimeToDie」を鑑賞した思いについて、現時点で一言だけ触れるなら、やはり「ダニエル・クレイグが主演した5作は、5作で1つの物語だったのだな」ということです。

 これまでの007シリーズは、同じヴィランが登場するなどのことはありましたが、基本的には1本1本それぞれが独立した映画でした。

 歴代ボンドの中でもそういった製作は初めてのことであり、いかにダニエル・クレイグの器量が優れているか、また、愛され、信頼されていたかということが窺い知ることができます。

 

 ダニエル・クレイグ=ボンドが今作で最後であることは、私にとって残念でなりません。

 もうこれで新作が観られないなんて、信じられず、受け止められません。

 わかっていたことだったのに、「NoTimeToDie」を鑑賞して、このことが初めて現実のものとなりました。

 

 一方で、熱烈なクレイグ=ボンドファンとしてあえて申し上げますと、年齢のことなどを考えまして、良い引き際でもあります。

 私は「007/ダイ・アナザー・デイ」を観て正直なところ「ブロスナン=ボンド」の“老い”を感じてしまいましたが、クレイグの“老い”は、断じて007映画で感じたくはありません。

 

 クレイグ=ボンドは、5作を通じてジェームズ・ボンドを描いた物語として、007シリーズに金字塔を打ち立てました。

 この世に映画というものが存在する限り、語り継がれ、007シリーズの中でも後世に最も評価されるでしょう。

 

 ダニエル・クレイグ、本当に素晴らしい15年間をありがとうございました。

 世界中の多くのファンと同様、「クレイグ=ボンド」は私の中で永遠に輝き続けます。

 また、俳優としましても、これからもずっと応援しています。

※内容はあくまでJBの主観になりますのでご了承いただければ幸いです。

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