ハオルチア・オブツーサと僕と祖母【89歳の僕の祖母も魅了される植物】
私は、煩悩の数と同じ108つの広く浅い趣味を持ち、1人で細々と珍奇植物を育てています。
そして、最も身近な植物仲間が、実は私の89歳の祖母なのです。
- 祖母は昭和のサボテンブームを知る世代
- 89歳の祖母と園芸店を巡る
- ハオルチア・オブツーサとは
- 祖母が購入したハオルチア・紫オブツーサ
- 私の380円オブツーサ
- ハオルチアHyb
- 開花と共に萎んだオブツーサは復活するのか
祖母は昭和のサボテンブームを知る世代
明治時代のサボテンブーム、昭和30年代の戦後サボテンブーム、そして現在のサボテン(多肉植物)ブームは何度目のサイクルになるのでしょうか。
私自身もそのムーブメントに踊らされている者の1人なわけです。
しかし、私の祖母世代となると話が違います。
そういった何度かのブームを見た上での現在があるのです。
もっとも、我が家の場合、祖母というよりも祖父(すでに他界)が、しかも嗜む程度にサボテンを少々収集していた程度だったようです。
ですので、祖母はサボテンや、あるいはアガベのようなトゲトゲ系にはまったく興味がありません。
専らエケベリアや、今回のハオルチア類に食指が動くようです。
89歳の祖母と園芸店を巡る
12月のある日、私は、祖母を愛車の助手席に乗せて園芸店へ向かいました。
祖母は、私の実家において、私の両親とともに住んでおり、高齢ではありますが、物知り博学、足腰カクシャク、私との連絡は愛用のiPadを通じて取り合うコンピューターおばあちゃんです。
今回、園芸店巡りに誘ったのは私からでしたが、祖母がそろそろ園芸店に多肉植物を見に行きたいと漏らしていたことは、家族を通じて知っていました。
いずれの園芸店も、実家から数kmですから、車に乗っている時間は短く、そして限られたものでした。
それでも、車内では多肉植物のこと、最近読んだ本の話をしました。
また、12月上旬のことでしたから、話は真珠湾攻撃(昭和16年12月8日)にまで及びました。
当時祖母は小学生ですが、真珠湾攻撃(及びマレー作戦)から太平洋戦争に突入したのであり、この時のことは鮮明に覚えているということでした。
当時の教育を受けていると、開戦は祝うべきことであり、戦争には必ず勝てるものだと思っていたというのです。
祖母が戦争の話をするのは珍しいことでした。
「語り継いでいかなければならないというけど、誰がこんな話を聞きたいものかね?」と言うのです。
私は聞きたいし、聞くべきだと思うし、私の子供達(祖母から見れば曾孫である)にも聞かせて欲しいと思いました。
しかし、あるいは祖母自身も「何が楽しくて、戦争の話などしなければならないのか」ということなのかもしれません。
話は逸れますが、以前から私は祖母のことについて考えていることがあります。
それは、祖母自身に生涯を語ってもらい、それを私が文章化したいということです。
もちろん、それはどこかに公開するためのものでなく、そのようなことをするつもりなどありません。
あくまでも記録化しておきたいし、でも、それをするには私はあまりに祖母のことを知らなすぎるのです。
何年も前からそう思いながらも、なかなか実行に移せてはいません。
祖母の生涯を聞くのは気恥ずかしさもあるし、何より、まるで死期を考えているような行為だと感じてしまうのです。
それでも、私には価値のあることのように思えるし、これをしなかった時に、いつか後悔を覚えるかもしれません。
こうして一緒に園芸店を巡ることができるのも未来永劫続くものではありません。
いつか、時がきたら、でも早いうちに、やってみたいのです。
ハオルチア・オブツーサとは
学名:Haworthia cooperi var.truncata
英名:ハオルチア・クーペリー
和名:雫石
「ハオルチア・オブツーサ」は、ハオルチアの原種の1つで、なんと言っても窓のある丸い葉が特徴です。
学名を見るとわかりますが、カタカナ表記すると「ハオルチア・クーペリー・トルンカータ」ということになりそうです。
成長はいわゆる「春・秋型」であり、春から秋にかけて成長が見られます。
また、春を中心として長い花芽を伸ばし開花します。
植え替えは春に動き出す頃、あるいは早秋休眠までにということになろうかと思いますが、過度に神経質になる必要はなさそうです。
根は割に太く丈夫なものが主根として伸びます。
ハオルチアは葉の見た目の割には(?)根が太く長く伸びますので、できれば高さのある鉢が良いかと思います。
また、「ハオルチア・オブツーサ」と一口に申しましても、
・大型オブツーサ
・紫オブツーサ
・黒オブツーサ
・達磨オブツーサ
など、様々な名称がついた種類がある他、ハイブリッドのものも多く出回っています。
私如きハオルチア素人では、何がなんだかわかりません。
いずれにしましても、ハオルチア・オブツーサの観賞価値はなんと言っても、美しい「窓」部分にあることは違いありません。
また、昨今はすっかり珍奇植物(ビザールプランツ)も見慣れてしまって忘れがちですが、「珍妙さ」だって素晴らしいです。
自生地では、土や埃を被りながら、窓の部分だけ地表に出しているそうですが、改めて考えますと、こんな植物が地面から顔を出して自然に生えているかと思うと驚愕です。
祖母が購入したハオルチア・紫オブツーサ
さて、今回祖母が購入したのが「紫オブツーサ」です。
一般に「OB-1」と呼ばれるもので「ドドソン・紫オブツーサ」からの改良品と言われています。
未だ「紫」と呼ぶには程遠い色合いです。
というか、そんな色になるのでしょうか。
葉は比較的小振りなものが密集しており美しいです。
「ハオルチア・オブツーサ」と聞けば、割にこのような個体を想像することが多いように思います。
今回ハオルチア・オブツーサを購入するにあたり、いくつか候補となった個体はありましたが、祖母とすれば「紫オブツーサ」という品種にこだわって購入したようでした。
私の380円オブツーサ
以前SNSでもアップしたことがあったように思うのですが、よく行く地元園芸店で380円で購入したオブツーサです。
あまり価格のことを言うのも下世話な話ではあるものの、やはりここまで安いとコストパフォーマンスが高く、満足度も高くなるというものです。
私がいくつか育てているオブツーサの中では、最も葉が大ぶりです。
大窓の品種は、新芽の時点ですでに大きい気がします。
私自身気に入っている、我が家でも期待のオブツーサでして、今後ますます成長してくれることを願っています。
ハオルチアHyb
こちらは「ハオルチア・ハイブリッド」として購入したものです(こちらも同じ園芸店で安価でした)。
細かい葉が密生するタイプで、あまり大きくならず、かつ小さい子株がいくつも芽吹いています。
日に当てていると、我が家では紫オブツーサよりむしろ紫っぽくなっており、今後どのようになるのか楽しみです。
開花と共に萎んだオブツーサは復活するのか
こちらは、大窓系のオブツーサとして何年か前に購入したものです。
気に入っていたのですが、春に花芽を伸ばして開花したと思ったら、葉がしぼんでしまいました。
花芽を切ったものの、萎んだ葉は戻りません。
数ヶ月経過するも回復が見込めませんでしたので、いっそ水耕栽培で復活を図ってみました。
1〜2ヶ月もそうしていたのだったか、見ようによっては少し回復したかもしれませんが、結局現在まで完全回復には至っていません。
枯れてはいないと思いますので、今度は根をカットしてリセットするような感じで試してみようかと思います。
復活して、またご紹介できることを祈っております。
※内容はあくまでJBの主観になりますのでご了承いただければ幸いです。